多くの女性が閉経を迎える年齢の前後10年(40歳半ばから60歳ごろまで)を「更年期」と呼びます。
この更年期に、女性ホルモンのエストロゲンが減少することで起こる心身の様々な不調が「更年期障害」です。
一般的に、更年期障害は、めまい、ホットフラッシュ、寝汗、背中や腰の痛みなどの身体的症状が多いですが、うつや不安感など精神的な症状も併発することがあります。
ヨガには、こうした更年期特有の症状を和らげる効果があるので、まとめてご説明します。
■更年期の症状を和らげるヨガの効果
自律神経を整える
更年期障害は女性ホルモンの減少が大きな原因ですが、残念ながら体内のホルモン量は、自分の意志ではコントロールできません。
体内の女性ホルモンは自律神経と大きなつながりがあり、共に大脳視床下部でコントロールされているので、自律神経が乱れると、同時にホルモンバランスも乱れます。
逆に、自律神経を整えればホルモンバランスも整うので、自律神経と女性ホルモンは、いわば一蓮托生の関係と言えます。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから構成され、ヨガの呼吸によってそれらのバランスを整えることができます。
まず、自律神経を整えることでホルモンバランスが改善されれば、めまいが無くなります。
そして、アーユルヴェーダでいうピッタ(火)の質が増えることで起こる、急な火照りの症状(ホットフラッシュ)も軽減されるでしょう。
それから、血圧が安定するので、寝汗をかかなくなります。
- めまい
- ホットフラッシュ
- 高血圧、低血圧
- 寝汗
ストレスの軽減
ヨガで行なう腹式呼吸は、副交感神経を優位にしてストレスを軽減する効果もあるので、不安感がなくなり、ネガティブな考えに支配されなくなります。
また、ヨガをすると、怒りもコントロールできるようになるので、穏やかな気持ちが広がるのを感じられるはずです。
身体の痛みを軽減
更年期障害で、背中や腰、首などが痛い場合、ヨガで身体を動かすことで痛みが和らぎます。
ヨガは、全身の筋肉を使い、特に身体の深層にあるインナーマッスルを動かすので、身体の内側のコリや筋肉の張りを改善する効果があります。
身体の痛みには、ハタヨガで行う太陽礼拝がとくにオススメです。
呼吸とポーズを連動させて動くので、身体がだるかったり、凝り固まっている場合は特に効果を感じられるはずです。
⇒ やり方は、「太陽礼拝の効果。朝と夜でやり方を変えよう。」の記事を参考にしてください。
↓ 更年期障害改善には、リラックス系レッスンも多いホットヨガが効果的。
店舗数が多い「LAVA」や「カルド」がおすすめ。呼吸法を取り入れたレッスンも多数開催しています。敷居が低いので、体の固さや年齢を気にすることなくヨガを楽しめます。
■更年期の症状に効くヨガポーズ、呼吸法
「ヨガをしている人は、更年期障害になりにくい」と言われるように、ヨガは老化現象を防ぐ効果も高いので、40代、50代以上に最適な運動です。
スポーツセンターやヨガスタジオに行けば、40代、50代でヨガをやっている人はたくさんいるので、みんなで楽しくヨガをすることもストレス解消になります。
もし、更年期の症状が辛くて外に出られない場合でも、家の中で簡単にできて効果のあるヨガポーズをご紹介しますので、試してみてください。
魚のポーズ(マツヤーサナ)
「あらゆる病気を治す」と言われるこのポーズは、甲状腺を刺激し、自律神経を調整する効果があります。
やり方
- 仰向けに寝る。
- 両手の平を下にして、ひじまで身体の下に入れる。
- ひじでマットを押し、上体を持ち上げ頭頂をマットに付ける。
合せきの前屈(バッダ・コナーサナ)
疲労を取り除き、坐骨神経痛、高血圧にも効果があります。
やり方
- 両足の裏を合わせて座る。
- 骨盤を立て、背筋を伸ばして脚の付け根から前屈する。
※背中が丸くならないよう、胸を前に突き出すようにする。
シータリー呼吸
身体を冷やす効果のあるこの呼吸法は、ホットフラッシュで火照ったときにやると効果を感じられます。
やり方
- 舌を少し出して両側丸める。その筒状になった舌から空気を吸い込む。
- 鼻から息を吐く。
- 1,2を繰り返す。