ロールアップとは
ロールアップとは、仰向けで寝ている状態から、腹筋の力で上体を起こすピラティスのエクササイズです。
筋トレメニューのシットアップに似ていますが、ピラティスのロールアップは膝を伸ばしたまま行なうので、より広い範囲の体幹を鍛えることができます。
運動強度も高く、膝を曲げて上体を半分だけ起こす「クランチ」の3割増しでシックスパックに効かせられるのだそうですよ。
ロールアップのやり方
- マットの上に仰向けで寝て、脚を伸ばす。
背骨はニュートラルポジション(腰とマットの間に指1本入るくらいの隙間がある状態)にしておく。 - 腕を頭の上に伸ばす。この時、肩を耳から遠ざけておき、肩甲骨が上がらないように注意する。
- 息を吸いながら、腕を耳の横まで持ち上げながら同時に顎を引いて頭を持ち上げる。
- 息を吐きながら、背骨を丸くして腕を前方へ送り、腹筋に力を入れて上体を起こす。
- 腕を床と並行にして、頭を腕の間に落とし、手をつま先方向へ伸ばす。
ロールアップができない理由
ロールアップで起き上がる時に重要な身体の機能は、
・背骨の柔軟性
・体幹の強さ
の2点です。
”背中が深いカーブを作れること” そして、”重力に負けずに自分の身体を持ち上げるだけの腹部の筋肉があること” がロールアップの重要ポイントです。
この2点が欠けていると、ロールアップを成し遂げることが難しくなります。
膝を曲げて行うシットアップとは違い、ピラティスのロールアップはお腹上部の筋肉だけでなく、下腹部の筋肉も使います。
骨盤からあばら骨下部分まで、幅広い範囲の体幹がしっかりしている必要があるのです。
↓ 身体の中から本当の美しさや健康を作り上げる、ピラティス専門スタジオ。
少人数レッスンなので、自分のペースでエクササイズできます。
ロールアップで足が上がってしまうのを防ぐ方法
”背骨の柔軟性” と ”体幹の筋肉”、どちらかが欠けている人は、ロールアップをしようとしても上体を起こせず、足がピョンと空中に浮いてしまうことがよくあります。
なぜ足が浮いてしまうのでしょうか?
その理由は、上半身を前屈させる時に使われるいくつかの筋肉は、お尻や股関節を屈曲させる役割もあるからです。
腹筋が弱い場合、上体を起こそうとすると(前屈させる)と、股関節辺りの筋肉が強く使われて、足が跳ね上がってしまうのです。
足の飛び跳ねを防ぐ方法をご紹介しましょう。
骨盤を安定させる
ロールアップで足が上がってしまうのを防ぐためには、骨盤を安定させることが大切です。
「上半身がまったく持ち上がらず、足が上がってしまう」という人は、もしかしたら骨盤を後傾させ過ぎているかもしれません。
マットに背中が付いている時点で骨盤を後傾させてしまう人は多いのですが、これはミスアライメントです。
腰とマットの間に隙間がなくなるほど骨盤を後傾させてしまうと、肩や背中上部を起こすのが難しくなり、下半身に力が集まって足が浮く原因となります。
ですので、骨盤はニュートラルポジションで安定させ、体幹の筋肉を使いやすくすることを心がけてみてください。
呼吸と動きを同調させて、あばら骨の下に集中する
足が上がらないようにするためのコツがもう一つあります。
上体を持ち上げる時に、息を吐きながらお腹を体内に引き込むようにし、あばら骨の下辺りに意識をフォーカスしてください。
そのあたりには、呼吸によって動く ”横隔膜” という筋肉があり、腹部を圧縮して胴体を前屈させる働きもします。
息を吐きながらロールアップすると、横隔膜が肋骨や内臓を中央に集めるので、体幹を働かせやすくなるのです。
↓ 横隔膜
そして、上体を起こすとき、下腹部ではなく、あばら骨部分(上腹部)に意識を集中すると、足が上がるのを防ぐことができます。
ロールアップができるようになる練習エクササイズ
「ロールアップが苦手」「どうしてもできない」という人は、前段階の練習として、ロールダウン(手のサポート付き)をやってみてください。
ロールアップで必要な ”背骨の柔軟性” と ”体幹の力” という2つの要素を向上させ、ロールアップのコツを体に覚えさせることができます。
ロールダウン(手のサポート付き)
画像出典:healthycoupons.com
- 体育座りで、手を太もも裏に添える。
- 骨盤から背中を下から順番に、マットに付ける。
背骨の柔軟性が付いて、下腹部の強化に最適なエクササイズです。
背骨を深くカーブさせる練習になるので、ロールアップの練習エクササイズとしておすすめです。
ロールアップの練習に役立つアイテム
バンドやクッションなどのアイテムを利用してみるのもありです。
道具を使うと、身体に負担をかけずに練習できます。
セラバンド
画像出典:Nutritious Life
セラバンドを足の裏にかけて、バンドの両端を両手でつかみます。
バンドをピンと張った状態でロールアップすると、上体を起こすときにバンドの縮む力に頼ることができます。
でも、バンドに頼りすぎると足が上がってしまうので注意!
ロールアップの身体の使い方を覚えるのに最適なアイテムです。
クッションやブランケットなど
正式なピラティスのロールアップは足を伸ばしたまま行ないますが、できなければ、普通のシットアップのように膝を曲げて行ってもOKです。
膝を曲げると股関節の筋肉の緊張をゆるめられるので、足が宙に浮かなくなり、腹筋を働かせやすくなります。
膝の下にクッションや、折りたたんだブランケットなどを置くと、より腹筋を使うコツを掴みやすくなるので試してみて。
↓ ピラティス専門スタジオで体験レッスン参加者募集中。
ピラティスマシンも揃っていて、本格的に身体を変えられます。