Yoga is the lifestyle.

ヨガは、マットの上でアーサナ(ポーズ)をするだけのものではなく、その哲学は、人生のあらゆる面で役に立つ生きるための知恵であり、かけがえのない人生をどう生きていくかを示した宝の地図のようなものです。

この記事では、ヨガ哲学の基本的な教えである「八支則」について解説します。

■ヨガの八支則は、魂の進化のプロセス

ヨガの八支則とは、聖者パタンジャリが聖典「ヨーガ・スートラ」の中で説いた、魂の進化のために行う秩序ある生き方の8つの段階・方法です。
八支則は、サンスクリット語の「アシュタンガ」で、「アシュタ」は「8」、「アーンガ」は「手足、枝葉、補助するもの」という意味です。

八支則 第一ステップ

八支則の中で、最初の2つは「ヤマ」「ニヤマ」と呼ばれます。
その後の2つのステップを支える基本的な教えで、どれも小学校や中学校で先生に言われるような、なじみのある教訓ですね。

1、 ヤマ / してはいけない5つのこと
  • 暴力を振るわない(アヒムサー)
  • 嘘をつかない (サッティヤ)
  • 盗まない (アステーヤ)
  • 節操を守る (ブラフマチャーリヤ)
  • 執着しない (アパリッグラハ)
2、 ニヤマ / 行なうべき5つのこと
  • 清潔にする (シャウチャ)
  • 必要最低限のものを持つ (サントーシャ)
  • 何事にも一生懸命になる (タパス)
  • 勉強する (スヴァーデャーヤ)
  • あるがままに感謝し、今を生きる (イーシュワラ・プラニダーナ)

八支則 第2ステップ

第2ステップ「アーサナ」「プラーナーヤーマ」「プラッテャーハーラ」では、瞑想する準備を整えます。
人間が魂の成熟にともなって「本当の意味での幸せとは何か」と考え、精神的な進化を求め始める段階です。

3、 アーサナ / 姿勢

真っ直ぐ心地よく座るための姿勢の練習をすることで、瞑想に入りやすくなる。

4、 プラーナーヤーマ / 呼吸の統制

呼吸と心の状態は密接につながっているので、呼吸を整えることで、心を瞑想の状態にもっていく。

5、 プラッテャーハーラ / 感覚器官の統制

外側の世界に向かいがちな五感を、自分自身に引き戻す練習。自分自身の内面を見つめることで瞑想に入りやすくなる。

八支則 第3ステップ

最終の第3ステップ「ダーラナ」「デャーナ」「サマーディ」は、瞑想の深まりの段階を示しています。
最終的には、悟りの状態を目指します。

6、 ダーラナ / 集中すること

1つの物事に長時間意識を保つ練習です。

7、 デャーナ / 努力することなく瞑想すること

6のダーラナが深まると、自他の区別がなくなり、自然と瞑想状態になります。

8、 サマーディ / 悟り

ヨガの最終目標は、全宇宙との一体感を感じる悟りの状態です。

 

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■悟ったらどうなるの?

ヨガの最終的な目標は、瞑想によって“悟り”を得ることで、マットの上でのアーサナ(ポーズ)や呼吸法は、悟りに向かうためのプロセスの1つです。

ヨガで悟れば、人生がバラ色に変わるのでしょうか? 辛いことやイヤなことは全く起きなくなるのでしょうか?

いいえ、残念ながらそうはなりません。
悟ったとしても、これまでと同様、いろいろなことが人生には起きます。
面倒なことも、イライラするようなことも起きるでしょう。

でも、一度でもサマーディ(悟り)を垣間見れば、人生で起きる出来事に対する“自分自身の反応”が180度変わるのです。
どんな人であろうと、サマーディの状態は永遠には続かないと聖典では説いています。
この物質世界に生きている以上、自他の区別がつかない悟った状態で生きてはいけないですからね。

ただ、サマーディを経験することで、自分は何があっても大丈夫なんだという、絶対的な安心感が生まれます。
それは、何にも代えがたい真の“自由”そして“至福”なのです。