Yoga is the lifestyle.
■目的別 座っておこなうヨガの呼吸法
ヨガには、心身の健康に役立つ、座って行う呼吸法があります。
「たかが呼吸で何が変わるの?」と思うかもしれません。
でも、緊張しているときに、深呼吸を数回するだけで、心拍数が落ち着いてリラックスできることもありますよね。
深呼吸するだけで変わるのであれば、呼吸は、私たちの心身に大きな影響を与えているということです。
これから紹介する呼吸法は、簡単にできて即効性のあるものなので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
不眠解消、リラックス、心身のバランスを改善したいときに
片鼻呼吸 (ナディショーダナ)
ナディとは、「気の通り道」のことで、ショーダナとは、「浄化」という意味があります。
この呼吸法は、左右の鼻から交互に呼吸することで、自律神経が整い、心身のバランスをとる効果があります。
右の鼻での呼吸は、左脳を活性化させ、陽の気質(活発さ、緊張感、興奮感)を生み出します。
左の鼻での呼吸は、右脳を活性化させ、陰の気質(リラックス感、落ち着き、穏やかさ)を生み出します。
普段の生活で、私たちはどちらの鼻から呼吸するか選ぶことはできません。
すべて自律神経がコントロールしているのです。
それを意識的にコントロールすることで、体の中にある生命エネルギーを整えて心身のバランスをとるのがこの呼吸の目的です。
やり方
- 右手のひらを自分の顔に向けて、人差し指と中指を折り曲げる。
- 親指で右鼻を抑え、左鼻から息を吐く。
- 左鼻から息を深く吸う。
- 薬指で左鼻を抑え、親指を外した右鼻から息を吐く。
- 右鼻から息を深く吸う。
- 2から5を繰り返す。
眠気を覚ましたい、頭をスッキリさせたい、夏バテを予防したいときに
シータリー呼吸
シータリーとは「熱を冷ます」という意味です。
冷たい空気を口から取り入れ、暖かい空気を鼻から出す呼吸法で、その名の通り、身体の熱を下げる効果があります。
日中気温が45℃を越えるインドで生まれた呼吸法ですが、日本の蒸し暑い夏でも使える便利な呼吸法です。
ほとんどのヨガの呼吸法は、鼻からの呼吸を行いますが、シータリー呼吸は、口から息を吸います。吸う時に舌を少し出し、舌の両側を丸めてストローのようにします。
やり方
- 舌を少し出して両側丸める。その筒状になった舌から空気を吸い込む。
- 鼻から息を吐く。
- 1,2を繰り返す。
身体を温めたい、血流を改善したい、体幹を鍛えたいとき
ウジャイ呼吸
ウジャイとは「力を支配する」という意味です。
胸式呼吸の一種で、アシュタンガヨガはこのウジャイ呼吸で行います。
もちろん呼吸単独で、座っておこなっても構いません。
ウジャイ呼吸は、活動的になりたいときに最適で、呼吸によって内臓が動くので、体幹を鍛える効果もあります。
喉を締めて行う摩擦音を出す呼吸ですが、締めすぎて喉を傷めないように気を付けましょう。
やり方
- 口を開けてため息するように、ハーッと息を吐き出す。
- 口から吐き出している途中で、口を閉じ、鼻から吐く。その時に、喉の奥で摩擦音がする。
- その喉の状態のまま、鼻から息を吸う。その時も、鼻と喉の奥で摩擦音がする。
- 2,3を繰り返す。
お腹やせ、姿勢改善、やる気を出したいときに
カパラバティ
カバラとは「頭蓋骨」「前頭葉」のことで、バティとは「輝き」の事です。
前頭葉を活性化させ、やる気を出す呼吸法です。
また、横隔膜や腹筋を使うので、体幹のトレーニングにもなります。
激しい呼吸法なので、病後すぐのかたや、妊娠中、高血圧の人は控えた方が良いでしょう。
健康な人も、無理のない範囲で行ってください。
やり方
- 息を鼻からすべて吐く。
- 鼻から大きく吸う。
- 鼻から短く勢いよくフッと吐き出した後、鼻から自然に吸う。これを「フッ、フッ、フッ、フッ」と短いリズムで繰り返す。
- 何回か吐いて吸ってを繰り返して、最後は鼻から全て吐ききる。
※ 慣れるまでは、15回~30回ほどから行ってください。 - 1、2回深呼吸をする。
心を落ち着かせ、集中力を高めたいときに
ブラーマリ
ブラーマリとは「蜂」のことです。
鼻の奥で、蜂の羽音のような音を出すことで、細かい振動を起こし、ヒーリング作用がある呼吸法です。
ストレスを解消し、脳の緊張を解く効果があります。
即効性があるので、瞑想の前に2、3回行うとすぐに心が落ち着いて、瞑想状態にはいりやすくなります。
また、低音よりも高音で行なう方が、効果が高いと言われています。
やり方
- 人差し指で両耳をふさぐ。
- 鼻から大きく息を吸う。
- 口を閉じたまま、息が続くまで「んー」と言い続ける。
- 頭の中で音が振動しているのを感じる。
- 2~4を繰り返す。
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