Yoga is the lifestyle.

■医療としてのヨガ

ヨガは健康に良いことは、誰もが知っていることです。
ヨガは、体に対してだけでなく、メンタル面にも良い作用をもたらすので、心理的な原因から起こる不調にも効果があり、ヨガ自体がセラピーの役割をしていると言えます。

では、「ヨガセラピー」は、普通のヨガとどう違うのでしょうか?

ヨガセラピーは「ヨガ療法」「メディカルヨガ」とも言い、特定の流派を示すものではなく、広義の意味で使われ、現代人の健康促進のために、または、体が弱い人もできるようにアレンジされたヨガのことです。

インドでは、日本よりヨガの医療分野での効果が信じられていて、多くの実績も確認されているので、国家レベルでヨガを医療に組み込んでいます。
政府公認のヨガセラピー専門病院がいくつもあったり、普通の病院にも「ヨガセラピー科」という診療窓口があるほどです。

最近では、アメリカ、イギリスなど欧米諸国でも、実際にヨガを医療現場に応用することで、その効用が実証されてきており、ヨガは西洋医学を補完する役目を担い始めています。

特に、国民健康保険制度が存在しないアメリカでは、6人に1人が保険に加入しておらず、病気になっても、経済的負担が大きいという理由で医療を受けられない国民が大勢います。
貧富の差が、そのまま医療格差へとつながっており、病気をしたら莫大な医療費がかかる恐れのあるアメリカで、予防医療・代替医療としてのヨガに大きな期待が寄せられています。

日本でも、医療や介護現場でヨガが取り入れられ、その効果は実証されつつあります。
今後はさらに、ヨガが西洋医学を補完する統合医療システムができあがり、「ヨガセラピー」「ヨガ療法」という言葉も、当たり前に耳にするものになるのではないでしょうか。

 

【まとめ】

  • ヨガセラピーは「ヨガ療法」とも呼ばれる。
  • インドでは、ヨガセラピーが一般的に用いられ、病院でもヨガセラピー科がある。
  • アメリカでも、ヨガは、予防医療・代替医療として注目を浴び、西洋医学を補完する役割をしている。
  • 今後は、日本でもヨガセラピーと西洋医学が統合された医療システムができる可能性が大きい。

 

■ヨガセラピーはオーダーメイドで作る

ヨガセラピーは、アシュタンガヨガの創始者パタビジョイスや、アイアンガーヨガの創始者アイアンガーの師であるクリシュナマチャリアの教えを基に発展してきました。

その教えは、「生徒がヨガの練習に合わせるのではなく、ヨガの練習が一人一人に合わせられるべきである」というものです。
そのため、ヨガセラピーは、一般的にインストラクターと生徒の1対1で行ない、最初に生徒の体質、体力、気質を診るカウンセリングを行ないます。

カウンセリングには、インド古代からの知恵であるアーユルヴェーダの知識を使います。
ヨガと同じくヴェーダ(古代から伝わる知恵)をルーツを持ち、哲学も一緒のアーユルヴェーダは、体のエネルギーを整え、癒すことを目的とした知識です。

体に効くアーユルヴェーダと、心に効くヨガを組み合わせて、各個人に合わせた診断をし、生活習慣の改善とヨガによって心身の不調を取り除くことを目的としているのが、ヨガセラピーです。

一般的に健康に良いとされているヨガのポーズでも、身体に痛みがある人が行なうと、悪化してしまう可能性があります。
同様に、身体に良いと言われている食べ物だとしても、体質に合わないものだったりすると、具合が悪くなる場合があります。

一人一人に合わせて、どうすれば苦しみを取り除けるのかを目的に、体と心を総合的に見ていくホリスティクスなヨガセラピーは、西洋医学の投薬では完治が難しい生活習慣病や心身症にも効果があるとされています。

ヨガセラピーは、毎日継続してこそ効果を発揮します。
ほとんどの病気は、その人の生活習慣や考え方のクセなどによって、長年かけて症状として現れてきているものです。
ですから、改善するには、その症状の根本原因を正すために、毎日ヨガセラピーを行なう必要があります。
教室で受けたカウンセリングやアドバイスにしたがって、自宅でも練習し、しばらくしたらまた教室に行って、インストラクターと効果を確かめながら行なっていきます。

【ヨガセラピーが有効とされる症状一例】

高血圧、消化器疾患、過敏性腸症候群、喘息、糖尿病、更年期障害、パニック障害、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、リウマチ、甲状腺機能障害、月経前症候群、不安障害、片頭痛・・・など、その他多数(参照:厚生労働省「統合医療」情報発信サイト

 

【まとめ】

  • ヨガセラピーは、基本、生徒とインストラクターの1対1で行なう。
  • ヨガセラピーでは、アーユルヴェーダを用いたカウンセリングを行なう。
  • 一人一人にあったヨガと改善案により、体と心を統合的に見ることで、病気の改善を目指す。
  • ヨガセラピーは、継続してこそ効果がある。

■ヨガセラピーが受けられる場所

ヨガセラピーは、認定ヨガ療法士の下で受けることができます。
日本ヨーガ療法士会/Japan yoga therapy」のホームページで、全国のヨガセラピー教室が検索できます。

ヨガ療法士が自宅まで出張してくれる場合もあるので、問い合わせてみてください。