ヨガは、太っている人こそ効果を感じやすいエクササイズ。
「カラダに自信がない。体力がない。柔軟性がない。」というだけでヨガを諦めてしまうのは実にもったいない!

太っていようが痩せていようが、大きい人でも小さい人でも、老若男女全ての人がヨギー、ヨギーニになれるんです。

海外では、ぽっちゃりした一般人が自信満々にヨガポーズを取って、インスタグラムをアップしていますよ。

いい表情。ヨガを楽しんでいることが伝わってきますね。

 

素晴らしいヘッドスタンド。この方、ヨガティーチャーです。

痩せている人だけがヨガスタジオに通っているわけじゃない

太っていてもヨガはできるとは言っても、ヨガスタジオに通うなんて、勇気も自信もない・・・・
そんなぽっちゃりさんの不安な気持ち、分かります。

たしかにヨガスタジオというと、スリムでかわいいインストラクターと、おしゃれなウェアに身を包んだ痩せている生徒さんがたくさんいるイメージがあるので、ぽっちゃりさんは気後れしてしまいがち。
本音ではヨガスタジオに通いたいと思いつつ、自宅で動画や本を見ながら、ひっそりとヨガをやっている人も多いのではないでしょうか?

でも実は、「ヨガスタジオに通っている人の大半は痩せている」というのは単なるイメージ。
実際は、ぽっちゃりしている人や肥満タイプの人も大勢ヨガスタジオに通っています。

特に、ダイエット指向が強いホットヨガは、痩せるために通っている人が大半なので、ぽっちゃりさん率もかなり高い。
ダイエットという同じ目的を持った仲間がいると思えば、モチベーションも上がりますよね。

太っているけど勇気を出してスタジオに行きはじめたら、体の調子が良くなり、自分に自信が持てるようになったという声もよく耳にします。

 

ここで、ぽっちゃりさんでも安心してヨガレッスンを楽しめるように、ポーズを取る時のちょっとしたコツをご紹介します。

ぽっちゃりさんのためのポーズのコツ

ダウンワードドッグのコツ

ぽっちゃりさんがダウンワードドッグをする時に多い悩みが、手や手首の痛み。
脚の柔軟性が足りない場合、上半身の体重がすべて手に掛かってしまうので、負担が大きくなります。

手や手首が痛いのであれば、気を付けるべきことは、やはり手。

手のひらをしっかり開いて、とくに人差し指と親指をマットに押し付けるようにしてください。人差し指と親指の間に、指がもう一本あるぐらいの気持ちでマットをしっかりととらえます。そして、人差し指は、必ず12時の方向へ向ける。

そうすることで、体重が背中の方へと移動します。背中には大きな強い筋肉があるので、手や腕の負担を減らすことができるのです。
逆に、親指と人差し指をしっかりとマットに付けない場合、手や手首のみならず、腕の外側や肩、首に余計な力みが加わって、コリの原因にもなります。

それでも痛い場合は、手のひらに折りたたんだタオルを敷いて、手首の傾斜を変えると良くなる場合があります。

フェイスタオルをたたんで手のひらの下に敷くと、手首の負担が軽減される。

ショルダースタンドのコツ

逆転のポーズを苦手とするぽっちゃりさんは多いはず。
ショルダースタンドは、全体重が肩と首にかかるので、不安を感じますよね。

そんな時は無理にやらない。自分が「安全じゃない」「気持ちよくない」と感じるポーズは、やらなくてもいいんです。

仰向けに寝て、脚を天井に上げるだけ、あるいは、体が “くの字” 状態でも充分に効果はあります。
普段の生活で、脚が心臓より高い位置にあることなんて滅多にありませんよね。
少しの間、足を高い位置に置くだけでも、循環器系にかなりのメリットがあるんです。

胴体が垂直にならずともOK。これも正しいアーサナ(ポーズ)の1つです。

座りのねじりポーズのコツ

このポーズでは、お腹や胸の肉が邪魔でカラダをねじれないという悩みや、脚をもう片方の脚の外側に置けないという悩みがあると思います。

上体をひねることが重要なので、脚はもう片方の脚にかけなくても問題ありません。膝をたてるだけでOK。
片膝を立てて、反対の脚は伸ばしたままで、できるだけ背筋を伸ばして上体をおへそからねじれば十分に消化器系の働きを活発にする効果があります。

牛面のポーズ

これは太っていなくても、肩関節やお尻まわりが固い人は苦手とするポーズ。
手を後ろでつなげない場合や、脚が組めない場合があります。

まず、脚はあぐらでも構いません。長くヨガを続けていれば、徐々に柔軟性がついて、両ひざが近づくように組むことができるようになります。

後ろで手がつなげない人は、上の手にタオルを握って、下の手でタオルをつかみましょう。
胸が開き、深い呼吸ができるようになるのがこのポーズの醍醐味です。

タオルを使って行なっても、胸が開いていれば効果はアリ。

 

↓ ダイエット効果を謳っているホットヨガは、ぽっちゃりさんもたくさん通っています。敷居が低いので、体が硬くても初心者でも安心して始められます。

ぽっちゃりさんがヨガスタジオに通う時の心得

ヨガスタジオに通ってみようかな、と考えているぽっちゃりさんに、インストラクターの私からアドバイスさせてください。

完璧なポーズなんてないと知る

まず、インストラクターのお手本通りにポーズを取らなければいけないと考えるのを止めましょう。

大人数のヨガレッスンを受ける時、どうしても周りの人と自分を比べ、人と同じようにポーズを取ろうとしてしまいます。
でも、人と同じにやろうとすることが、そもそも間違い。

”誰にとっても完璧なポーズ” というのはありません。
カラダは一人一人違っていて、柔軟性や筋力が異なるのはもちろん、姿勢のクセや体格によってもポーズの取り方を変える必要があるのです。
その日の体調によっても、同じポーズができる時とできない時があるでしょう。

ヨガは、自分自身と対話しながら、気持ちよく体を伸ばして、ほどよく頑張ると、必ず何かしらの効果が得られる仕組みになっています。

あなたにとって効果があるポーズが、“完璧なポーズ” だということを忘れないでください。

ポーズの調整を恥ずかしがらない

ぽっちゃりさんの場合、心地よくカラダに効かせるために、多少ポーズの調整が必要となります。

ヨガは自分の体重を負荷にしてトレーニングする運動なので、体重が重いと、それだけ負荷も大きく、脚や腕で支えきれないこともあります。
そんな時、少しポーズを調整、変更をすることで、ラクに心地よくヨガが楽しめるはず。

他の人と多少違う体勢になっても、恥ずかしく思う必要なんてありません。「他の人はこうやっているけど、私はこの方がいい」と、あくまで自分軸で、自分の体だけに集中してください。

ヨガには「アヒンサー(非暴力)」という教えがあります。
他人に暴力を振るわないことはもちろんですが、自分自身の身体を痛めつけないこともアヒンサーの教えに含まれます。

ケガを避け、体に愛と思いやりを持ち、無理がないようにポーズの調整をしてください。

調整の基本は、痛みを感じたらポーズを一段階ゆるめるか、膝や手で補助して体勢を変えます。

上記に書いた、ポーズのコツも参考にしてくださいね。